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障害者雇用のカウント方法|パート・短時間・重度の数え方を早見表で解説

カウントには2種類ある

障害者雇用の計算でつまずきやすいのは、数えるものが2つあるからです。

  1. 常用労働者数 — 「自社は何人の障害者を雇う必要があるか」を決める母数
  2. 実雇用障害者数 — 「実際に何人としてカウントされているか」

この2つは数え方のルールが異なります。混同すると計算が合わなくなるため、 分けて理解する必要があります。

1. 常用労働者数の数え方(母数)

雇用義務の人数を計算する母数となる常用労働者数は、 週の所定労働時間によって数え方が変わります。

週の所定労働時間 数え方
30時間以上 1人
20時間以上30時間未満(短時間労働者) 0.5人
20時間未満 母数に含めない

対象となるのは、雇用期間の定めがない労働者、 または1年を超えて雇用される見込みの労働者です。

「37.5人」に小数が出る理由

法定雇用率が2.7%に引き上げられたことで、 常用労働者37.5人以上の事業主が、障害者を1人以上雇用する対象になりました。 法定雇用率が2.5%だったときの基準は40人以上でした。

人数の基準に「.5」が付くのは、 短時間労働者を0.5人として数えるためです。 たとえば正社員35人とパート(週25時間)5人の会社であれば、

35 + 5 × 0.5 = 37.5人

となり、対象になります。

計算の順序

法定雇用障害者数 = 常用労働者数 × 法定雇用率(小数点以下切り捨て)

37.5人の場合:37.5 × 2.7% = 1.0125 → 切り捨てて 1人

2. 実雇用障害者数の数え方(カウント)

雇用している障害者を何人として数えるかは、 手帳の種別・重度かどうか・週の所定労働時間の3つで決まります。

労働時間の3区分

区分 週の所定労働時間
通常労働者 30時間以上
短時間労働者 20時間以上30時間未満
特定短時間労働者 10時間以上20時間未満

母数の計算では週20時間未満は含めませんでしたが、 実雇用障害者数のカウントでは、週10時間以上20時間未満も一部が算定対象になります。 ここが混同しやすい点です。

カウント早見表

障害区分 通常労働者
(週30時間以上)
短時間労働者
(週20〜30時間)
特定短時間労働者
(週10時間以上20時間未満)
身体障害者(重度以外) 1人 0.5人 算定対象外
身体障害者(重度) 2人 1人 0.5人
知的障害者(重度以外) 1人 0.5人 算定対象外
知的障害者(重度) 2人 1人 0.5人
精神障害者 1人 1人 0.5人

表の読み方で押さえる3点

① 重度はダブルカウント

重度の身体障害者・知的障害者を通常労働者として雇用した場合、 1人を2人として数えます。短時間労働者の場合は1人として数えます。

② 精神障害者の短時間労働者は1人として数える

通常、短時間労働者は0.5人ですが、精神障害者については算定特例により、 当面の間、雇入れからの期間等に関係なく1人として算定されます。

③ 特定短時間労働者(週10時間以上20時間未満)は0.5人

週10時間以上20時間未満の労働者を0.5人として算定する取扱いは、 令和6年度から開始されました。 対象となるのは、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者に限られます。 重度以外の身体障害者・知的障害者はこの区分の算定対象になりません。

特定短時間労働者のうち、就労継続支援A型事業所の利用者は算定対象外

特定短時間労働者(週の所定労働時間10時間以上20時間未満)を0.5人として算定する取扱いでは、就労継続支援A型事業所の利用者は算定の対象外となります。

計算してみる(例)

前提:正社員120人、パート(週25時間)20人。 雇用している障害者は、重度身体障害者1人(週35時間)と精神障害者1人(週25時間)。

母数

120 + 20 × 0.5 = 130人

必要な人数

130 × 2.7% = 3.51 → 切り捨てて 3人

実雇用障害者数

  • 重度身体障害者・週35時間 → 通常労働者なので 2人
  • 精神障害者・週25時間 → 短時間労働者だが特例により 1人

合計 3人

結果

必要3人に対してカウント3人なので、法定雇用率を満たしています。 実雇用率は 3 ÷ 130 = 約2.31% です。

このように、重度と精神障害者の扱いを知っているかどうかで結論が変わります。 重度身体障害者を1人として数えてしまうと、 不足していると誤って判断することになります。

よくある間違い

よくある間違い 正しい扱い
パートを全員1人として母数に入れる 週20〜30時間は0.5人。週20時間未満は母数に含めない
週20時間未満は一切関係ないと考える 母数には含めないが、重度・精神障害者は0.5人として算定できる
重度かどうかを確認していない 重度は通常労働者ならダブルカウント。確認しないと過小に計算する
精神障害者の短時間を0.5人で計算する 算定特例により当面の間1人として算定する
小数点以下を四捨五入する 切り捨てが正しい

自分の会社の数字を確認する

上記の計算は、入力式の計算ツールでも確認できます。 従業員数と雇用している障害者の内訳を入れると、 不足人数と実雇用率まで自動で計算します。

なお、除外率が設定されている業種、特例子会社の認定を受けている場合、 企業グループ算定特例の適用がある場合などは、 上記とは異なる取り扱いになります。 該当する可能性がある場合は、管轄のハローワークまたは労働局にご確認ください。

除外率が設定されている業種

除外率制度は、障害者の就業が一般的に困難と認められる業種について、 常用労働者数を計算する際に除外率に相当する人数を控除する仕組みです。 母数そのものが減るため、義務人数の結論が変わることがあります。

令和7年4月1日から、各業種の除外率がそれぞれ10ポイント引き下げられ、 次のようになりました。これまで除外率が10%以下であった業種は、 除外率制度の対象外となりました。

除外率 業種
5% 非鉄金属第一次製錬・精製業/貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く)
10% 建設業/鉄鋼業/道路貨物運送業/郵便業(信書便事業を含む)
15% 港湾運送業/警備業
20% 鉄道業/医療業/高等教育機関/介護老人保健施設/介護医療院
25% 林業(狩猟業を除く)
30% 金属鉱業/児童福祉事業
35% 特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く)
40% 石炭・亜炭鉱業
45% 道路旅客運送業/小学校
50% 幼稚園/幼保連携型認定こども園
70% 船員等による船舶運航等の事業

シミュレーターは除外率に対応していません

本サイトの法定雇用障害者数シミュレーターは、除外率・特例子会社・グループ算定特例に対応していません。上の表に該当する業種の場合、控除後の常用労働者数で計算し直す必要があります。

控除の具体的な計算方法(どの範囲の労働者が控除の対象になるか)は業種ごとの判断を伴うため、管轄のハローワークにご確認ください。

更新履歴

  • 2026年10月15日特定短時間労働者の時間を、JEEDの注記どおり週10時間以上20時間未満と書いた
  • 2026年10月13日就労継続支援A型事業所の利用者を算定対象外とする注意書きを、特定短時間労働者を0.5人として算定する取扱いの中の扱いに限定し、JEEDの出典名をリンク先の資料名に直した

出典

本ページの制度に関する記述は、以下の公的機関の資料を確認したうえで作成しています。 制度は改正されることがあるため、実務判断の際は必ず出典元の最新の内容をご確認ください。

  1. 障害者雇用率制度(はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~ 7.資料編)(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)/確認日:2026年9月1日)
  2. 令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます(厚生労働省/確認日:2026年9月1日)
  3. 民間企業の法定雇用率と対象事業主の範囲(段階的引上げスケジュール)(厚生労働省/確認日:2026年9月1日)