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障害者雇用状況報告の提出|6月1日基準と毎年の実務

毎年6月1日が基準日です

障害者雇用状況報告は、毎年6月1日現在の雇用状況をハローワークに報告する手続きです。 実務では「ロクイチ報告」と呼ばれることがあります。

根拠は障害者雇用促進法 第43条第7項です。

項目 内容
基準日 毎年 6月1日現在
提出先 事業所の所在地を管轄するハローワーク
提出方法 e-Gov電子申請/郵送/来所

対象となる企業規模は、年によって変わります

報告義務の対象範囲は法定雇用率に連動しますが、基準日が6月1日であるため、法定雇用率の改正が年度途中に施行された年は、その年の報告が改正前の基準のままになることがあります。

実際、令和8年(2026年)の報告は「従業員40.0人以上」が対象で、提出期限は令和8年7月15日でした。法定雇用率2.7%の施行が同年7月1日であり、基準日の6月1日時点では改正前だったためです。

そのため「今年は自社が対象か」を毎年確認する必要があります。厚生労働省または管轄労働局の、その年の案内をご確認ください。

報告する前に、数え方を確認してください

報告書に書く数字は、通常の従業員名簿の人数とは異なります。 ここを間違えたまま提出している企業が少なくありません。

常用労働者数(母数)

週の所定労働時間 数え方
30時間以上 1人
20時間以上30時間未満 0.5人
20時間未満 母数に含めない

実雇用障害者数(カウント)

障害区分 通常労働者
(週30時間以上)
短時間労働者
(週20時間以上30時間未満)
特定短時間労働者
(週10時間以上20時間未満)
身体障害者(重度以外) 1人 0.5人 算定対象外
身体障害者(重度) 2人 1人 0.5人
知的障害者(重度以外) 1人 0.5人 算定対象外
知的障害者(重度) 2人 1人 0.5人
精神障害者 1人 1人 0.5人

重度のダブルカウントと、精神障害者の短時間労働者を1人として数える算定特例を 知らないと、実際より少なく報告してしまいます。

数え方の詳細はカウント方法の完全ガイド、 自社の数字は法定雇用障害者数シミュレーターで確認できます。

準備しておくこと

報告の直前に慌てないよう、次を整理しておきます。

準備すること ポイント
6月1日時点の在籍者リスト 週の所定労働時間で区分できる形にしておく
障害者手帳の種別と等級の確認 重度かどうかでカウントが2倍変わる
手帳の有効期限の確認 更新されていない場合、算定できないことがある
就労継続支援A型事業所の利用者の除外 特定短時間労働者(週の所定労働時間10時間以上20時間未満)の算定対象から除かれます
本人の同意状況 障害者であることの把握・確認には、厚生労働省のガイドラインに沿った手順が必要です(下記)

★把握・確認の手順は決まっています。個別に聞きに行かないでください

報告の前に在籍者の手帳の有無を確かめたくなりますが、障害者手帳の情報は要配慮個人情報です。厚生労働省の「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」が手順を定めています。

このガイドラインは平成17年11月に策定された資料です。呼びかけの手順・不適切な事例・照会の根拠は現在も運用されているものですが、同じPDFに載っている制度の説明(対象企業規模・カウント方法)は策定当時のもので、「障害者雇用状況の報告は従業員56人以上」「納付金の申告は301人以上」などと書かれています。現行の数値は本サイトの記載(37.5人以上・100人超)をご確認ください。

採用後に把握・確認する場合は、「雇用する労働者全員に対して、メールの送信や書類の配布等画一的な手段で申告を呼びかけることを原則とします」とされています。不適切な事例として「障害者と思われる労働者のいる部署に対してのみチラシを配布する」が明示されています。

個人を特定して照会できるのは、本人が公的制度や社内制度の活用を求めて自発的に提供した情報を根拠とする場合などに限られます。上司や同僚の受けた印象・職場の風評・健康診断の結果・企業内診療所の診療結果は、照会の根拠として不適切とされています。

呼びかけの際は、回答が業務命令ではないこと、利用目的(障害者雇用状況の報告、納付金の申告、調整金・報奨金の申請)、必要な個人情報の内容、原則として毎年度利用することなどを本人に明示します。手続きは原則として、人事管理部門でこれらを担当する者から直接本人に対して行うこととされています。

6月1日は「その日の状況」です

6月1日時点で在籍していることが基準です。5月末に退職した方、6月2日に入社した方は、その年の報告には反映されません。

採用のタイミングが基準日をまたぐ場合、報告上の数字が想定と変わることがあります。

未達成だった場合

報告した結果が法定雇用率に届いていなくても、 報告そのものにペナルティはありません。 未達成を理由に報告を出さないほうが問題になります。

ただし、未達成の状態が続くと行政指導が段階的に進みます。 どこまで進むのかは達成できないとどうなるかで解説しています。

報告は正確に出したうえで、達成に向けた計画を用意するのが正しい対応です。

この報告が果たしている役割

障害者雇用状況報告は、行政が各企業の達成状況を把握する仕組みです。 つまり、この報告によって未達成が把握され、行政指導の対象が決まります。

だからこそ、数え方を間違えて実際より少なく報告すると、 本来は達成しているのに指導の対象になるという事態が起こり得ます。

逆に多く報告すれば、後の確認で修正を求められます。 正確に数えることが、そのまま自社を守ることにつながります。

この記事のまとめ

  • 基準日は毎年6月1日。根拠は障害者雇用促進法第43条第7項
  • 対象となる企業規模は年によって変わるため、毎年その年の案内を確認する
  • 報告する数字は従業員名簿の人数とは違う。0.5カウントとダブルカウントがある
  • 手帳の種別・等級・有効期限を事前に確認しておく
  • 特定短時間労働者(週の所定労働時間10時間以上20時間未満)のうち、就労継続支援A型事業所の利用者は算定対象外
  • 未達成でも報告は出す。出さないほうが問題になる

更新履歴

  • 2026年10月15日表の見出しの時間を、週20時間以上30時間未満・週10時間以上20時間未満と書いた
  • 2026年10月15日特定短時間労働者の時間を「週10〜20時間」から、JEEDの注記どおり「週の所定労働時間10時間以上20時間未満」に直した
  • 2026年10月13日就労継続支援A型事業所の利用者の除外を、特定短時間労働者(週10〜20時間)の算定に限定し、JEEDの出典名をリンク先の資料名に直した

出典

本ページの制度に関する記述は、以下の公的機関の資料を確認したうえで作成しています。 制度は改正されることがあるため、実務判断の際は必ず出典元の最新の内容をご確認ください。

  1. 障害者雇用状況報告書及び記入要領等(厚生労働省/確認日:2026年9月1日)
  2. 令和8年高年齢者及び障害者の雇用状況報告について(厚生労働省 東京労働局/確認日:2026年9月1日)
  3. 障害者雇用率制度(はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~ 7.資料編)(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)/確認日:2026年10月14日)
  4. プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン(平成17年11月策定)(厚生労働省/確認日:2026年9月7日)